料理研究家ペク・ジョンウォンさん「トンカツの元祖は(日本ではなく)、オーストリアだ」

トンカツの起源とその広がり

シュニッツェルからトンカツへ

トンカツの起源は、オーストリアの伝統料理である「シュニッツェル」にさかのぼります。

シュニッツェルは、薄く伸ばした肉にパン粉をまぶして揚げた料理で、特に「ウィンナー・シュニッツェル」が有名です。

この料理は、北イタリアのミラノ風カツレツ「コトレッタ・アッラ・ミラネーゼ」が15世紀から16世紀ごろにウィーンに伝わり、発展したとされています。

日本には明治時代に西洋料理が伝わる中で紹介され、豚肉を使用した「ポークカツレツ」として広まりました。

その後、「ポークカツレツ」が「トンカツ」と呼ばれるようになり、日本独自の料理として定着しました。

韓国におけるトンカツの受容と変遷

韓国にトンカツが伝わったのは、日本統治時代の1925年、ソウル駅内に開業した軽洋食店「グリル」が始まりとされています。

当時、トンカツは高級料理とされ、主に日本人や西洋人が楽しんでいました。

その後、韓国の経済成長とともにトンカツは大衆化し、1970年代には庶民的な洋食として定着しました。

現在では、韓国独自のアレンジが加えられた「韓国式トンカツ」が広く親しまれています。

ネット上の反応

ネットユーザーからは以下のような意見が寄せられています。

トンカツの未来と食文化の多様性

さらなる進化と新たな可能性

トンカツは、日本や韓国だけでなく、世界各国で独自の進化を遂げています。

日本では味噌カツやデミグラスソースを使った洋食風トンカツ、韓国では甘辛ソースをかけた「韓国式トンカツ」など、多様なアレンジが生まれています。

今後も、地域ごとの食文化と融合し、新たなトンカツのスタイルが登場する可能性があります。

料理のルーツを超えた食文化の共有

料理の発祥地を知ることは興味深いものですが、食文化は国境を越えて広がり、各地で独自の発展を遂げるものです。

トンカツもその一例であり、日本や韓国だけでなく、世界中で愛される料理として進化し続けています。